半熟卵と申します。
「SMから始めたから分からないことが多くて...」
「ガチに手を出したいけど...」
そんな初心者にとって有益な単語や理論を盛り込んでます。ある程度を理解できれば、ポケモン独自の用語が多いブログや記事なんかも難なく読めると思います。なるべく丁寧に書いたつもり。
既知の方々にとっては長ったらしい文章ですので、適宜、読み飛ばしていただければと。
前置き
- 個体は全て理想個体とします。
理想個体とは、HP〜素早さの個体値が理想的な値であることです。サンムーンの様々な仕様により、多くは全ての個体値が31である(6V)ことを指します。(素早さの個体を0にする"最遅"、その他の理由で意図的に特定の個体値を下げている等の例外もあるが、それらも理想個体の1種)
「個体値とは何ぞや?」という方は、下記リンク先に目を通していただけると。
http://yakkun.com/dp/system.htm
- 非公式の単語や略称を使用します。(その他、不明な点がございましたらコメントにて)
HP=H / 攻撃=A / 防御=B / 特攻=C / 特防=D / 素早さ=S と簡略化したり、ガブリアス=ガブ / 拘り鉢巻=鉢巻 と縮めたり、ノーマル=無 / エスパー=超 等と変換したりしています。
- 考察環境:S1~S2
最終更新日とのタイムラグはご勘弁ください。なるべく反映は続けます。
採用理由
多くの物理に対してサイクルを機能させたい際、同時に対面性能も兼ね備えさせたい
解説
- テッカグヤ
サンムーンでの新ポケモンの1体。その中でもウルトラビースト(UB)と呼ばれるグループの1体であり、高種族値の準伝枠です。あとデカイ。はみ出る
- 種族値 / タイプ
H97-A101-B103-C107-D101-S61 / 計:570
余程無駄が大きくない限り、種族値の高さは汎用性の高さに比例します。カグヤは高い合計種族値を持つ低速高耐久の部類であり、鋼/飛という物理ATの攻撃を半減しやすいタイプも相まって、後出しーーサイクルーーできる範囲が非常に広いです。ガブやブルルあたりは完封。
- サイクル戦
サイクル戦とは、
有利なポケモンに対して後出しする
→行動する
→不利なポケモンを出されたら、それに有利なポケモンを後出しする
を繰り返し、ダメージレースを競う戦いです。このサイクルが崩壊する=受けが成立しない/相手の全抜き体勢を阻止できない、ということなので、いかに被崩壊を防ぎ、いかに素早く崩壊させるかが重要になります。
- サイクル戦で勝つ為に
当たり前ですが、相手のポケモンを倒さなければ相手のサイクルを崩壊させられません。また、相手のサイクルを崩壊させるまでは、こちらのサイクルを維持させる必要があります。
つまり、上記の"行動する"ではそれに伴った行動をしていくことになります。
- テッカグヤはどんな風に"行動できる"のか
カグヤは、範囲はやや狭いが瞬間打点の高い"ヘビーボンバー"と負担は小さいが回復しながら広範囲に負担をかけれる"宿り木の種"の2つを習得します。
一気に負担をかけていきたい、少しでも回復をしながら負担をかけていきたい等、その時のニーズに応じてこれらを撃ち分け、サイクル戦を優位に進めることが可能です。
- 対面性能
では、先発やお互いに裏をかく行動をした場合等に、偶然、有利か不利か分かりづらい対面ーー偶発 / 遇対ーーになってしまった場合、どのようにするのがいいのか。
様々な考え方がありますが、一般的には交代せずに攻めていける方がいいです。交代するということは、そのターン、相手に無償で行動させていることと(基本的には)同義なので、そのような偶発にも対応できた方がいいという考え方。
この偶発にも対応できる性能、多くのポケモンと打ち会える性能が"対面性能"と呼ばれるものです。
- 一般的な対面性能
偶発には有利不利が存在しないーー"役割"関係が薄いーーことが多い為、対面性能の高いポケモンの多くは高火力で上から攻撃できるタイプです。
例を挙げると、メガゲンやメガマンダがその類。
- テッカグヤの対面性能
対して、カグヤは低速高耐久であり、相手の攻撃を耐え、返しで攻撃するタイプです。
また、先に述べたヘビボは、自身より相手のポケモンが軽いほど高威力になる技であり、カグヤの体重は999.9kgと全ポケモンで最も重い為、多くのポケモンにタイプ一致120技をデメリット無しで叩きつけられます。
勿論、宿り木の範囲の広さ+回復力も対面性能に活きてきます。
≒等倍同士の撃ち合いであれば対面性能もある。
- 具体例
Q.「カグヤの強みは分かった。具体的にどんなPTで採用すればいいの?」
対面性能とサイクル性能は対極に近い性能です。例えばこんな場合、
[自分] (先)テッカグヤ / ドヒドイデ / ガラガラ(アローラ)
[相手] (先)カプ・テテフ / ガブリアス / カプ・コケコ
こんな時、カグヤはテテフに対して対面性能を活かして打ち勝てますが、HBに厚いテテフだったり10万を持たれていたりした場合、代わりに大ダメージを負ってしまい、ガブリアスに対しての役割をほぼ放棄してしまいます。残った体力ではガブを処理しきれず、他のポケモンではガブがどうしようもありません。
- 採用理由
このような事態を避ける為には、役割を一任してしまうようなPTではなく、色々なことが出来る高種族値で固めたPTで採用する方がいいと言えます。
A.「サイクル展開も対面からの展開もできる、非常に柔軟なPT」
を組む際に多くの物理受けを担えるのがカグヤを採用するメリット。
構成
守る+残飯(食べ残し)を採用することで、
・宿り木+守る(宿まも)→宿り木での回復&削り強化
・残飯+守る→残飯の回復力強化
この2つのシナジーをそのまま組み込み、対面性能もサイクルも引き上げた構成にします。
※実数値[努力値] / 性格補正を+or- で表記。
実数値:203-122-168-114-123-83
努力値:244-4-236-0-12-12
特性:ビーストブースト
性格:腕白
持ち物:食べ残し
〔 ヘビボ / 宿り木 / 守る/ -- 〕
〔--〕: 毒々 / 放射 / 地震
- 〈 主な調整先 / 目安 〉
・C200[252+] カプ・テテフ カプ・テテフ 10万(眼鏡) 168~198 確2
・C200[252+] カプ・テテフ カプ・テテフ キネシス(PF/眼鏡) 93~109 残飯*1込み 低乱2(6.5%)
・A211[252+] ドサイドン ドサイドン ロクブラ(鉢巻) 27~33(*2~5発) 7発+残飯*2 ほぼ確耐え
・無振り60族+3
- 努力値 / 性格
飛/鋼というタイプは、相手の攻撃を無効化したり半減したりできるタイプが非常に多く、中でも無/虫/鋼/飛/竜の5タイプの攻撃技は物理に寄っています。
なので、これらの技に受け出してもこちらのサイクルが崩されにくくなることを第一に考え、HBをベースで考えます。
まず、Dに12振るだけで眼鏡テテフのキネシスの乱数が4%ほどズレるので改善。また、今作の無振り60族付近も激戦区(S調整されやすい値)になると予想し、HBが大きく落ちない程度にSにも微振り。
「めんどくせぇ!!」という方は Bぶっぱ(252振り)でも大きな問題はありません。
性格はB上昇しADが下降しない腕白or呑気となりますが、ギルガルドやマリルリ等にS負けする可能性を下げるため、基本的には腕白で確定です。
- 技
ヘビボ/宿り木/守る の3つが確定。
最後の1枠は選択です。
・毒々
宿り木と重複可能な状態異常技であり、守るも組み合わせることで、更に負担を加速させられる技。汎用性の高さを第一に確定欄はこれ。
この技構成だと、鋼の処理を宿り木に一任する形になるので、羽ハッサム対面が非常に不毛になりますが、ダググロス等には宿り木で充分、ルカジバコ等は元々投げにくいことを考えれば、そこまでデメリットは大きくありません。
・放射(文字)
その羽ハッサムを焼き切れる放射。ヘビボを半減してくる鋼への補完も少しだけありますが、宿り木撃った方がいい場面が多々。
ただし、不毛対面その2であるカグヤミラーに強くなれるので無しではないです。
性格を呑気にすることで、HAメガッサムを文字で確1にできますが、マリルリに抜かれるデメリットの方が大きい&放射を連打だけでもハッサムには勝てる為、PPと命中率を重視して放射推奨。
・地震
ヘビボの補完技その2。ヘビボを半減する鋼/炎に弱点をつける。
しかし、浮いている鋼が多かったり、地震を持ってもルカジバコに勝てるシチュは大して増えてないので、HBをベースとする本論での優先度はそこまで高くありません。
もし採用する場合、多少ASを伸ばした方が間違いなく使いやすいです。
相性のいいポケモン
カグヤは電気に対してどうしようもないので、それらに強いポケモンを挙げていきます。
- ガラガラ(アローラ) ガラガラ(アローラ)
特性:避雷針で採用することで炎電気をガラガラで受けられ、岩地面はカグヤで受けられ、サイクル補完が非常に強い並び。また、太い骨を持ったガラガラのA290前後という超火力で相手のサイクルを崩壊させやすい。
しかし、ガラガラ自身の種族値が低く、アシレやレヒレ等の水タイプも重くなるので、ブルルやテテフ等、水に強い高種族値を入れて補完したい。
- ランターン ランターン
ランタムドーやギャランターンがありなら、カグヤターンランタグヤもありでしょという雑な思考。
サイクル補完はガラガラ以上に強く、ボルチェンで有利対面を維持し続けることが可能な点も優秀。
しかし、種族値はそこまで高くなく、こちらも足の遅い並びになってしまうので、高速高火力エースを入れる等して構築していきたい。
- ガブリアス ガブリアス
THE・主人公。
ガブカグヤという並びがあるだけで、本来不利であるコケコという超火力に択をふっかけられる。数値も無駄が無い600族に逆鱗+地震という2つの高打点+広範囲。っょぃ
ダメ計
記載が必要だと思われるものはコメントにお願いします。
【与ダメ】
- ヘビーボンバー
H183-B116[0-4] ガブリアス ガブリアス
→ 72~85(39.3%~46.4%) 確3
H191-B151[164-4] メガボーマンダ メガボーマンダ
→ 55~66(28.8%~34.6%) 確4
H221-B151[244-4] ドサイドン ドサイドン
→ 74~90(33.5%~40.7%) 確3
H207-B160[196-4] マッシブーン マッシブーン
→ 27~33(13.0%~15.9%) 乱8()
H204-B101[228-4] マリルリ マリルリ
→ 82~97(40.2%~47.5%) 確3
H175-B96[236-4] カプ・テテフ カプ・テテフ
→ 174~206(99.4%~117.7%) 高乱1(93.7%)
H125-B201[0-4] パルシェン(B1↓) パルシェン
→ 63~75(50.4%~60.0%) 確2 / +宿り木*4 : 高乱1(81.3%)
- 火炎放射
H175-D100[236-0] ハッサム ハッサム
→ 156~188(89.1%~107.4%) 乱1(56.3%)
H175-D121[236-4] メガハッサム メガハッサム
→ 132~156(75.4%~89.1%) 確2
- 地震
H167-B170[252-0] ギルガルド(盾) ギルガルド(シールド)
→ 56~66(33.5%~39.5%) 確3
H167-B70[252-0] ギルガルド(剣) ギルガルド(ブレード)
→ 132~156(79.0%~93.4%) 確2
H145-B108[0-0] メガルカリオ メガルカリオ
→ 86~102(59.3%~70.3%) 確2
H175-B135[236-0] ジバコイル ジバコイル
→ 136~164(77.7%~93.7%) 確2
【被ダメ】
- 物理
A182[252] ガブリアス ガブリアス Z炎牙(A2↑)
→ 196~232(96.6%~114.3%) 高乱1(81.3%)
A216[252+] メガボーマンダ メガボーマンダ 捨身
→ 52~62(25.6%~30.5%) 確4
A210[252+] マッシブーン マッシブーン 馬鹿力
→ 85~102(41.9%~50.2%) 低乱2(0.6%) / +残飯*1 : 確3
A211[252+] ドサイドン ドサイドン ロクブラ(鉢巻)
→ 27~33(13.3%~16.3%)*2~5発 乱7 / +残飯*2 : 確7耐え
A189[252] フェローチェ フェローチェ 飛び膝(珠)
→ 109~129(53.7%~63.5%) 確2 / +残飯*2+宿り木(18)*2 : 確3
A145[252+] ガラガラA ガラガラ(アローラ) フレドラ(太骨)
→ 236~278(116.3%~) 確1
A222[252+] ギルガルド ギルガルド(ブレード) シャドクロ(A2↑)
→ 105~124(51.7%~61.1%) 確2 / +残飯*2+宿り木(20)*2 : 確3
A146[252+] パルシェン パルシェン 氷柱針(A2↑)
→ 125~155(61.6%~76.4%) 確2 / +残飯*2+宿り木(15)*2 : 高乱2(99.9%)
A112[252+] マリルリ マリルリ アクジェ(A6↑)
→ 120~142(59.1%~70.0%) 確2
A197[252] メガルカリオ メガルカリオ インファ(適応力/A2↑)
→ 212~250(104.4%~) 確1
A167[252] カプ・コケコ カプ・コケコ ワイボル(EF/珠)
→ 198~237 高乱1(93.7%)
- 特殊
C200[252+] カプ・テテフ カプ・テテフ 10万(眼鏡)
→ 168~198(82.8%~97.5%) 確2
C200[252+] カプ・テテフ カプ・テテフ キネシス(PF/眼鏡)
→ 93~111(45.8%~54.7%) 乱2 / +残飯*1 : 低乱2(8.0%)
C189[252] フェローチェ フェローチェ 気合玉(珠)
→ 136~161(67.0%~79.3%) 確2
C147[252] カプ・コケコ カプ・コケコ 10万(EF)
→ 182~216(89.7%~106.4%) 乱1(31.3%) / 10万(EF/珠) : 237~281(116.7%~) 確1
あとがき
ここまでご覧頂き、誠にありがとうございます。
お時間を割いていただき恐縮です。
この論がどなたかの参考になれていれば幸いです。
サンムーンでもよろしくお願いします。
更新履歴
11/28 22:40 誤字訂正。表記訂正。
x2/x5 16:55 内容を若干修正。
12/23 10:21 アイコンを追加。