はじめに
初投稿で拙い部分も多いかと思いますが、宜しくお願いします。
ニドキングは特性ちからずくと命の珠の仕様により高火力を、また、技のデパートとも言われる広範囲の攻撃を浴びせられるポケモンとして知られています。しかしS種族値85と、メジャーなポケモン達にはどうしても上を取られてしまう足の遅さ、H81、B77、D75と、上から殴られると割とすぐに落ちてしまう耐久力の低さもネックです。かといって、スカーフやタスキ、チョッキ等を持たせるにしても、ちからずく補正があるとはいえ元のCは85。なかなか火力アップアイテム無しでは厳しい数値であり、痒いところに手が届かないポケモンであると言えます。しかし、ナマコのじょうかバトン先としてニドキングを起用すれば、これらの絶妙に足りない数値を補った上、圧倒的な火力を広範囲に叩き込める一線級のポケモンに様変わりするのではないかと考えました。
なお、バトン先として他のポケモンに優位を取る点としては、やはり火力と範囲を両立している事に尽きると思います。
バトン先としての評価
まず、いかなるポケモンも得意苦手というものがあります。本育成論も、あくまでバトン先としては選択肢の一つであり、他の特殊アタッカーに対し完全に優位を取るようなものではないという事はご留意頂きたいと思います。以下に、メジャーなバトン先特殊アタッカーと比較した場合の特徴を挙げます。
カプ・テテフ
覚える技範囲が広く、C種族値130と非常に火力も高いポケモンです。しかし、弱点である鋼タイプに対しては、命中不安定のきあいだまか、威力の低いめざめるパワー頼りになります。鋼タイプに強い点はニドキングの特徴と言えます。
メガリザードンY
このポケモンもC種族値159、炎、草、格闘、ドラゴン等の相性補完に優れた攻撃範囲、ひでりによる炎技の火力底上げ等があり、バトン先としては驚異となるポケモンです。しかし、ナマコブシと共に電気というメジャータイプに対し弱点がある点、4倍弱点を持つせいで、スカーフアタッカーのサブウエポンの岩技で落とされてしまう点に注意が必要です。その点、ニドキングは4倍弱点を持たない為、タイプ不一致のサブウエポン程度なら耐えます(耐久考察でも触れていますが、一致抜群でもギリギリ耐える範囲は結構広いです)
もう一度言いますが、あくまでこれらのポケモンと比較し優位であるというのではなく、比較した特徴です。後はパーティ全体として苦手とする範囲が被らないよう採用する際、その選択肢の一つとなり得るのではないかと思います。
なお、バトン前のニドキングに関しては、他の方が考察されているので深く触れる事はしませんが、バトンが失敗した場合でも、現環境で上位に居座り続けるカプ系(テテフや、一部の型のレヒレは除く)に有利な点、生半可な耐久のポケモンの受け出しを容易に許さない点等は、ニドキングの特徴と言えます。
素早さに関する考察
まず何と言っても、ニドキングが上を取れる範囲が重要になります。
控えめ
S252 : 実数値137 137×1.5=205
S1段階上昇の場合、カプ・コケコ、メガゲンガーといったS130族の上を取れるのは勿論のこと、サトシゲッコウガ、準速フェローチェまで抜く事が出来ます。最速メガライボルトと同速となります。
臆病
S252 : 実数値150 150*1.5=225
素で最速ギャラドス、最速デンジュモク等を抜く事ができます。これらのポケモンは素早さを上げて来る戦術を取る事が多い為、S一段階上昇の際に素早さに補正をかけておく恩恵を受けられる相手です。
問題は、ニドキング最大の魅力である火力を削ってまでSに補正をかける必要があるかどうかです。まず、素で準速ニドキングが抜けず、最速ニドキングが抜くことの出来るメジャーなポケモン(最速前提、S振りがメジャーでないポケモンは除く)としては、
ドーブル、ヒードラン、カメックス、カイリュー、バシャーモ、サーナイト、オニゴーリ、マンムー、シャンデラ、バルジーナ、ヌメルゴン、トゲキッス、ギャラドス、デンジュモク
等が居ます。S1段階上昇の場合、これらのポケモンがスカーフか、S1段階上昇技を使用した場合は、こちらもS1段階上昇の際に上を取れるかどうかの指標になります。
また、Sが一段階上昇したニドキングが、準速で抜けず最速で抜ける相手は、
メガジュカイン、メガプテラ、メガフーディン、フェローチェ
等です。
スカーフや能力値上昇で上を取って来るポケモンも、脅威となるのはマンムー、サーナイト、カメックス、ギャラドスくらいです。
となると、準速でも最速でも、じょうかバトンさえ決めてしまえば、たった数種類のポケモンにしか役割範囲の差が生まれない事になります。よって、性格は控えめを推奨したいと思います。
S調整に関しては、やはり準速フェローチェは抜いておきたいので、基本的にSは全振り推奨です。(準速フェローチェはS実数値203)
また、耐久指数の項目で記載しますが、この戦術最大の課題となるスカーフカプ・テテフについて、相手が最速なら当然どうやっても抜けないのですが、準速スカーフの場合、ニドキングが最速なら抜く事が出来ます。しかし、火力に関する考察でも記述しますが、火力が上がっているとはいえ控えめでギリギリ落としきれるくらいの相手も多数存在し、そこへの制圧力を失う点を考慮し、今回はやはり控えめの採用とさせて頂きました。
火力に関する考察。
控えめC252 : 実数値150 150×1.5=225 命の珠 ちからずく
ヘドロウェーブ
特殊攻撃指数 素 : 36123 C1段階上昇 : 54185
H252D252おだやかカプ・レヒレ
素 : 76.2%ー92.6%(確定2発)
C1段階上昇 : 115.8%ー137.8%(確定1発)
H4臆病ウルガモス
素 : 67.7%ー80.7%(確定2発)
C1段階上昇 : 102.4%ー121.1%(確定1発)※H36振りまで確定1発
H252D252おだやかスイクン
素 : 36.2%ー43.4%(確定3発)
C1段階上昇 : 54.5%ー64.7%(確定2発)
特化スイクンすらも抜群を取らずに確定2発に収めてしまう火力。特に、ウルガモスに関しては蝶の舞をされる前に上から1発で仕留める事が出来る為、大変有用です。
だいちのちから
特殊攻撃指数 素 : 36123 C1段階上昇 : 54185
H252D4控えめギルガルド
素 : 90.4%ー108.9%(乱数1発 (43.8%))
C1段階上昇 : 135.3%ー160.4%(確定1発)※特防特化でも確定1発
H4陽気メガバンギラス(砂嵐込み)
素 : 71%ー84%(確定2発)
C1段階上昇 : 106.2%ー125.5%(確定1発)※H92振りまで確定1発
H252D252慎重ナットレイ
素 : 38.6%ー45.8%(確定3発)
C1段階上昇 : 58%ー69%(確定2発)
ギルガルドは弱点保険が厄介ですが、C一段階上昇により、特防特化でも確定1発になります。炎技最大の役割対象である特防特化ナットレイが確定2発の為、火炎放射を切って別の技を入れるスペースも有ると考えられます。
れいとうビーム
特殊攻撃指数 素 : 22815 C1段階上昇 : 34222
H244D12カイリュー(マルチスケイル込み)
素 : 72.5%ー85.7%(確定2発)
C1段階上昇 : 107.1%ー126.9%(確定1発)
H252D4ヌメルゴン(とつげきチョッキ持ち)
素 : 35.5%ー42.1%(確定3発)
C1段階上昇 : 51.2%ー61.9%(確定2発)※チョッキ無しでも確定2発
10まんボルト
特殊攻撃指数 素 : 22815 C1段階上昇 : 34222
H4陽気メガギャラドス
素 : 68.4%ー80.7%(確定2発)
C1段階上昇 : 101.7%ー119.8%(確定1発)
H244 D12メガカメックス
素 : 68.6%ー81.6%(確定2発)
C1段階上昇 : 102.7%ー121%(確定1発)
かえんほうしゃの役割対象には致命傷を喰らう事は少ないですが、メガギャラドスは死に出しからの竜舞滝登りを許し、致命傷となる可能性がある為、確定1発に出来る10まんボルトを採用しました。
その他
(きあいだまを採用する場合)
H244D252 おだやかポリゴン2(しんかのきせき持ち)
C1段階上昇 : 76%ー89.5%(確定2発)※ヘドロウェーブの場合低乱数2発(17.6%)
D4ずぶといラッキー
C1段階上昇 : 56%ー66.4%(確定2発)※Dに全振りされると低乱数2発(35.2%)
特殊受けきせき持ちは流石にきあいだまを採用しなければ突破は難しいですが、ここはパーティと相談になります。
耐久に関する考察
H4 : 実数値157
B : 実数値97 97×1.5=145 物理耐久指数 素15229 B1段階上昇22843
D : 実数値95 95×1.5=142 特殊耐久指数 素14915 D1段階上昇22372
物理耐久
A252いじっぱりメガガルーラのすてみタックル
B一段階上昇 : 71.9%ー85.8%(確定2発)
ただし、ねこだまし込みで96%ー115%(高乱数1発)
※メガガルーラ側はH4振りのみの場合1段階上昇ヘドロウェーブで中乱数1発(68.8%)
A252陽気ガブリアスのじしん
B一段階上昇 : 91.7%ー108.2%(乱数1発 (50%))※いじっぱりの場合93.8%高乱数
物理方面は等倍ならかなりの指数までは耐えられます(メガがルーラのすてみタックルクラスでもかなり残ります)
ガブリアスがタスキ、もしくはスカーフの場合、かなり厳しい勝負になります。しかし、メガガルーラもガブリアスも、概ねZじょうかを積んだナマコブシを突破することは出来ない為、控えにこの2匹が見えている場合、すぐにはバトンタッチをしないのも手です。
特殊耐久
C252控えめフェローチェのれいとうビーム
D一段階上昇 :63.6%ー75.1%(確定2発)
C252控えめサザンドラのりゅうせいぐん
D一段階上昇 :64.9%ー76.4%(確定2発)
C252おだやかスイクンのハイドロポンプ
D一段階上昇 : 80.2%ー95.5%(確定2発)
C252臆病エーフィのサイコキネシス
D一段階上昇 : 84%ー99.3%(確定2発)
特殊方面はエーフィのサイコキネシスまでなら確定で耐えます。カプ・テテフが相手だと、控えめでもスカーフで上を取られ、確定1発でやられます。Zじょうか後のD無振りナマコブシで、ようやく控えめサイコフィールドサイコキネシスを超低乱数2発(0.39%)に抑えられますが、Dダウンがある為、本パーティ最大の課題となっています。
プレイング考察
実際に運用してみると、やはりニドキングの制圧力の高さが実感できました。しかし、スカーフカプ・テテフという現環境トップメタが最大の弱点となる等、課題も多く見られました。また、相手が素早さを上げて来るタイプのアタッカーを持っている場合、安易にナマコブシをバトンタッチさせてはならないと感じました。例えば、ナマコブシとメガボーマンダが対峙した時、Zじょうか後のバトンタッチに合わせてりゅうのまいを積み、あっさりニドキングが落とされるといった場面も存在しました。しかし、ニドキングを落としてしまうような相手には、ナマコブシを突破する手段が無い事が多いというのも実際に運用してみて感じた事です。かなり相性の良い2匹だと思いますので、ニドキングが好きな方、ニドキングで無双したい方は一度試してみてはいかがでしょうか?