はじめに
初めて育成論を書かせていただきます、わにと申します。何卒よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- ポケモンの名前やタイプ表記、道具名も一部略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは早速考察に移ります。
ワルビアルとは
5世代に登場した地悪の複合タイプ。固有タイプと優秀な特性を持ちながらも、中途半端な種族値とガブ、バンギ、ランド等の強力なライバルの存在により何かの劣化になりやすく、中堅に甘んじているポケモン。
本論はそんなワルビアルにしかできないことを考えながら考察を進めていきたいと思います。
ワルビアルの採用理由&差別化
追い打ちを実用的な火力で使える地面タイプ
個人的にはこれに尽きると思います。これによりボルトチェンジに対して繰り出し、交代を無効にしつつ、逃げる相手にも確実な削りを入れることができます。これは先に挙げたガブ、バンギ、ランドにはできない芸当です。
さらに悪タイプを持つことで霊超に対しても後出しからの高い遂行能力を持ち、4倍弱点がないので役割破壊されにくい点も重要です。また、特性威嚇によって対面性能、サポート性能も高く、選出した際に腐りにくいポケモンです。
よって、電霊超に対する確実な削り、及び遂行をこなせることから、それらが重い構築や並びの補完役としての採用が望ましいと言えます。後述しますが、特にカプ・レヒレとの補完が優秀なので本論ではカプ・レヒレと組ませることを推奨します。
主な仮想敵
メガゲンガーギルガルド(シールド)ガラガラ(アローラ)メガリザードンYバンギラスウツロイドアーゴヨンライチュウ(アローラ)ボルトロス(霊獣)ジバコイルカプ・コケコデンジュモクサンダー
など
持ち物や交代読み、役割破壊技などを考慮すると怪しい仮想敵もいますが、Z技でバンバン役割破壊される環境ですし、ワルビアルにできることの限界もあるので、そこは組ませる味方や立ち回りでカバーする必要があることをご了承ください。
これら仮想敵を意識した持ち物、調整を考察していきます。
持ち物
- 突撃チョッキ
D実数値を1.5倍にするアイテム。
役割対象が特殊ATに偏っていること、対面から役割破壊技を耐える耐久を確保するためには回復系木の実では不十分であること、汎用性の高さから、ほぼこれ一択です。
- 各種半減実
突撃チョッキが他と競合している場合に採用する。
ヨプ、ロゼル、ヤチェ、リンド、イトケから選択。
電悪超技の範囲補完として採用されやすい気合い玉@カクトウZの汎用性、役割破壊性能が異常に高いため、ヨプの実の優先度が最も高いです。
性格&調整
- 性格
意地っ張り
役割対象への確定数を確保するため、これ一択です。
- 努力値
H20A228B4C※D252S4
- 実数値
H173A182B101C※D122(チョッキ込183)S113
- 調整意図
H:6n-1
A:H252メガゲンガーを交代際追い打ちで確定1
B:端数
D:C252RライチュウのC↑↑気合い玉耐え(84.3%〜99.4%)
S:準速60族抜き(S↓102族抜き)
役割上、Aラインはこれ以上下げられません。
DラインについてもC252RライチュウのC↑↑気合い玉≒C252眼鏡霊獣ボルトの気合い玉なので、個人的にはできれば動かしたくないです。
調整するなら、Dを各自妥協できるラインまで削ってH、Sに回すなど調整してください。ただ、チョッキを持たせた副産物として、リザXYどちらと対面しても一撃は耐えることができ、岩石封じで起点を回避しつつ負荷をかけられるので、C252リザYの晴れオバヒを耐えるD140振り(実数値108)がD最低ラインと思われます。
技構成
- 確定技
おいうち
ワルビアルの採用理由に直結する技。威力が相手の行動に依存するため不安定ではあるものの、逃げる役割対象を確実に倒す、味方の攻撃圏内まで確実に削るなど、唯一無二の性能を持つ技なので確定です。遺伝技。
- 準確定技
じしん
非接触高威力命中安定技。役割対象へ一貫し、呼ぶフェアリーへ打点としても優秀です。安定過ぎて書くことがない。。。技マシンで習得。
がんせきふうじ
S操作が非常に強力。対面性能の向上、起点回避、味方のサポート、相手の交代誘発など用途が多岐にわたります。技マシンで習得。
- 選択技
はたきおとす
持ち物を無効にできる効果が強力かつ一貫しやすいため優先度は高い技です。
過去作教え技。
けたぐりorばかぢから
地震に比べ、バンギへの遂行速度が速く、メガガルや風船ドランにも刺さります。バンギを意識するなら優先度は高くなります。
デメリットのないけたぐりか威力安定の馬鹿力かはお好みで。過去作教え技。
ほのおのキバ
ハッサム、カグヤ、ナットなど地震が等倍以下の鋼に刺さります。
また、地悪の範囲を半減してくる草妖、草闘、虫闘に抜群を取れるので補完技として優秀です。遺伝技。
その他、かみなりのキバ、かわらわり、かみくだく、イカサマ、アイアンテールなど有用な技を覚えますがいずれも用途がピンポイントなので技候補はここまでに留めます。各自の構築に合わせて選択してください。
ダメージ計算
論が煩雑になることを防ぐため、ダメージ計算の追加は基本的にしません。
記載していないものは各自計算してください。
- 与ダメ
おいうち(交代際)
H252メガゲンガー
100〜118.5%(確1)
H252ギルガルド(盾)
58.6〜69.4%(確2)
H4デンジュモク
57.2〜67.9%(確2)
じしん
H252カプ・コケコ
111.8〜132.2%(確1)
H252Rガラガラ
94.6〜112.5%(乱1/75%)
H252ギルガルド(盾)
73〜87.4%(確2)
H252バンギラス
76.3〜90.8%(確2)
B4メガリザードンX
101.9%〜121.5%(確1)
H252カプ・レヒレ
42.9〜51.4%(低乱2/6.3%)
B4カプ・テテフ
74.4%〜87.5%(確2)
B4ガブリアス
49.1%〜57.9%(乱2/96.5%)
がんせきふうじ
B4メガリザードンY
109.8%〜130.7%(確1)
B4メガリザードンX
41.8%〜49.6%(確3)
B4カプ・テテフ
30.3%〜35.8%(乱3/33.4%)
H4ボルトロス(霊獣/化身)
59.3%〜70.9%(確2)
はたきおとす(持ち物あり)
H4ボルトロス(霊獣/化身)
71.6%〜85.1%(確2)
HB特化サンダー
34%〜40.1%(確3)
B4ガブリアス
46.4%〜55.7%(乱2/69.1%)
ほのおのキバ
B特化ナットレイ
55.2%〜66.2%(確2)
H252カプ・ブルル
38.4%〜45.1%(確3)
- 被ダメ
特殊(チョッキ込で計算)
C252Rライチュウ(C↑↑)
きあいだま:84.3%〜99.4%(確2)
C252ボルトロス(霊獣)@眼鏡
きあいだま:84.3%〜100.5%(乱1/6.3%)
C特化ジバコイル@眼鏡(アナライズ)
ラスターカノン:56%〜66.4%(確2)
C252メガゲンガー
シャドーボール:15.6%〜19%(乱6)
ヘドロばくだん:17.9%〜21.3%(乱5)
きあいだま:64.7%〜76.3%(確2)
C特化ギルガルド
むげんあんやへのいざない:31.2%〜37.5%(乱3/87%)
ラスターカノン:31.7%〜38.1%(乱3/92.3%)
C252カプ・コケコ
マジカルシャイン:42.7%〜52%(乱2/5.1%)
C特化カプ・テテフ@珠
ムーンフォース: 87.2%〜105.2%(乱1/31.3%)
物理(威嚇込で計算)
A特化ギルガルド
せいなるつるぎ:58.9%〜69.3%(確2)
ぜんりょくむそうげきれつけん:110.9%〜131.7%(確1)
アイアンヘッド:38.7%〜45.6%(確3)
かげうち:9.2%〜11.5%(乱9)
A特化Rガラガラ@太い骨
フレアドライブ:74.5%〜88.4%(確2)
A特化メガリザードンX
げきりん:67.6%〜79.7%(確2)
A特化ガブリアス
げきりん:52%〜61.2%(確2)
じしん:43.3%〜50.8%(乱2/3.1%)
立ち回り&運用
基本は裏に控えておき、無効技や半減技を読んで役割対象に繰り出し、対面の相手を追い打ちで確実に削るべきか、裏に一貫する攻撃をするべきか等、状況を判断しながら相手に負担をかけていきます。また、威嚇とチョッキによって多くの攻撃を耐えることができるのでとりあえず先発に据え、威嚇、はたき、封じを駆使して暴れるという対面的な運用も可能です。
ダメージ計算を見てもらえばわかりますが、そこまで火力と耐久ががあるわけではないので、無理に相手を処理しようとはせず、確実に味方の圏内に入れることを強く意識して立ち回ってください。超電の一貫を切ることができ、威嚇があるため、たとえ残りHPわずかでも裏に残しておくことで何かしら仕事ができるので、できる限り大切に扱います。
サイクル選出の際にはワルビ+ワルビとサイクルを回せるポケモン+掃除役のポケモンという選出を心がけましょう。
相性の良い味方
- カプ・レヒレ
最高の相方。タイプ相性の良さもさることながら、ワルビの役割対象であるゲンガー、電気タイプを強く呼び込み、さらにミストフィールドを展開することで鬼火などの状態異常からワルビを守り、役割遂行をしやすくしてくれます。また、竜技を半減することで悪巧みアーゴヨンへのワルビ受け出しが成立するようになります。
- カプ・ブルル
こちらもレヒレ同様優れた相方。グラスフィールドによりワルビの場持ちが良くなり、宿り木を撒けるので相手の交代を誘発しやすく、追い打ちが決まりやすいです。
ただ、グラスフィールドによって地震の威力が下がることに注意。
- ドヒドイデ
相性補完が抜群でサイクルを回すだけで再生力で回復できる上、自己再生も覚えるため過労死しにくい点が魅力です。また毒菱や毒毒を撒くことで相手の交代を誘発したり、まとわりつくでキャッチした相手をそのままワルビの追い打ちで仕留めるといった動きも可能です。上記のカプ・ブルルとの補完も素晴らしい。
- ファイアロー
相性補完が良いため、鬼火や羽休めを駆使してワルビとサイクルを形成することもできますが、終盤まで裏に温存して死に出しから展開し、先制ファイナルダイブクラッシュ→先制ブレバで削れた相手を一掃する動きが強いです。
- カミツルギ
掃除役として非常に優秀なポケモン。削れた相手をビーストブーストの起点にしていく動きがシンプルに強い。地味にワルビとの補完も優秀なのでADSベースにしてサイクルに参加することも可能です。
この他にもドククラゲ、マリルリ、アシレーヌ、ジャローダ、メガガルーラなどとも相性が良いですが、レヒレとの相性が頭一つ抜けています。
最後に
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
5世代の頃からワルビアルを使ってきましたが、7世代になって、役割対象となる優秀な電気タイプの増加、電霊超の一貫を切ることの重要性の増加、レヒレやカミツルギなど相性の良いポケモンの登場など、ようやくワルビアルが活躍できる土俵ができてきたように思います。地力のあるポケモンだと思いますので、この育成論を読んでワルビアルに興味が沸いた方はぜひ一度育成してみてください。